スタンディングデスクの効果やメリットは?最適な高さ、使い方を徹底解説
テレワークの普及により、自宅での仕事が増え、自分でワークスペースを作る機会が増えました。そんな中、スタンディングデスクが注目を集めています。
1日中座りっぱなしで仕事をすると、血流が悪くなり、健康に悪影響を及ぼすことが多いです。そのため、スタンディングデスクは、健康的な姿勢を維持するための選択肢の一つとして人気があるのです。
日本でもスタンディングデスクを導入する企業が増え、海外でも国が立って仕事を推奨しています。スタンディングデスクに興味がある方のために、スタンディングデスクの使用方法や、研究結果から得られるスタンディングデスクの有用性についてお伝えします。
- スタンディングデスクとは:立ちながら作業ができる机
- スタンディングデスク導入の7つの効果
- 研究で実証されたスタンディングデスクのメリット
- スタンディングデスク導入のデメリット
- スタンディングデスクの適切な使い方:高さと時間を注意しよう
- 3タイプのスタンディングデスクと選び方
- スタンディングデスクを利用する際の注意点
- まとめ:スタンディングデスク活用で生産性アップ
スタンディングデスクとは:立ちながら作業ができる机
スタンディングデスクとは、立ちながら仕事をするためのデスクです。
長時間座りっぱなしでのデスクワークは、運動不足になり、腰痛や足のむくみなど体に負担をかけることがあります。
スタンディングデスクを導入することで、座ったままでのデスクワークと比べて運動不足を軽減でき、健康にも良いとされています。
スタンディングデスクを使うことで、立った姿勢のままでデスクワークを行え、長時間座りっぱなしでのデスクワークによる悪影響を減らすことができるのです。
スタンディングデスク導入の7つの効果
①首肩の凝りや腰痛の解消
スタンディングデスクを使うことで、首・肩の凝りや慢性的な腰痛を解消する効果が期待されています。
座りっぱなしのデスクワークでは、同じ姿勢を長時間続けることで、腰や首・肩の筋肉に負担がかかり、慢性的な痛みや凝りの原因になります。
そこで、スタンディングデスクを使うことで、姿勢が変わり、体の負担が分散されるため、筋肉の緊張が緩和される効果が期待できます。
②集中力の向上効果
長時間座っていると、肩や腰の疲れがたまり、それが気になって集中力が散漫になってしまうことがあります。
一方、スタンディングデスクでは立った姿勢で仕事を行うため、体全体への負担が軽減され、疲労感による集中力低下が軽減されます。
スタンディングデスクは生産性向上にもつながるため、午後になっても集中力を維持したい方や、効率的に作業を進めたい方におすすめです。
③眠気の抑制効果
スタンディングデスクを使うことで体が活性化され、眠気覚まし効果や疲れを解消する効果が期待できます。
午前中は座って仕事をし、午後からはスタンディングデスクで仕事をすることで、効率的に活動できる時間を増やせます。
立ち仕事をすることで、座っているときよりも自然に体が活動するため、血液の循環が良くなります。また、筋肉を使うため代謝が上がり、体温も上昇します。
④姿勢の矯正効果
背筋を伸ばして座ることは大切ですが、実際に長時間同じ姿勢を保つことは難しいですよね。特に長時間座っていると、つい背中を丸めたり背もたれに寄りかかったりしてしまいがちです。
一方、スタンディングデスクを使うことで、自然に立った姿勢を保つことができます。
このため、体への負担が軽減され、姿勢矯正の効果が期待できます。
立っていると少し足の疲れは出ますが、腰や肩の負担が軽減されるため、全体的な疲労感は少なくなります。
⑤運動不足の解消効果
長時間デスクワークを続ける人が抱える悩みの一つに「運動不足」があります。
座り続けることによって、下半身の筋肉をほとんど使わなくなり、筋力の低下が進む可能性があります。
スタンディングデスクを使うことで、脚の筋肉を使う機会が増え、座りっぱなしよりも筋力の低下を抑えられます。
下半身の筋力は加齢とともに低下することが多く、長期的に見てもスタンディングデスクの導入は健康維持に役立ちます。
⑥空間を広く活用できる効果
スタンディングデスクを使用することで、デスク下のスペースが広く空くため、ゴミ箱など小物を置く余裕ができます。
さらに、立った状態であればすぐに移動できるため、物を手の届く場所に置く必要がなく、物の配置に自由度が生まれます。
そのため、本棚やプリンターなどが少し離れた場所にあっても移動が簡単で、スペースを有効に使える利点があります。
⑦精神的ストレスの軽減とモチベーションUP
長時間座りっぱなしのデスクワークは体に負担をかけ、生活のリズムも乱れやすくなります。このような状況で、やがてストレスを感じることになるでしょう。
スタンディングデスクの導入により、座りっぱなしによる心身のストレスを軽減できます。
また、重たい気分から解放されることで、よりすっきりとした気分を保つことができ、持続的に高いモチベーションの維持に繋がります。
研究で実証されたスタンディングデスクのメリット
アメリカ国立生物工学情報センターが運営する「PubMed」に掲載された研究レポートによると、ある企業で行われたスタンディングデスク導入実験において、「従業員の身体と精神面に大幅な改善が見られた」という内容の報告があります。
実験は、2011年3月から5月の7週間にわたって、ミネソタ州ミネアポリスにあるデスクワークの多い企業を対象に実施されたもので、「Take-a-Stand」と名付けられたこの実験では、シット・スタンド・デバイス(立ち作業と座り作業に対応したデスク)が提供され、その効果が検証されました。
実験の結果、以下のような成果が得られたと報告されています。
・座り作業の時間が224%(1日66分)短縮された。
・従業員の54%が背中上部と首の痛みが軽減されたと回答。
・メンタルも改善されたと回答する従業員もいた。
ただし、シット・スタンド・デバイスを取り外すと、観察された改善点は2週間以内に元通りになったそうです。
このようにスタンディングデスク導入のメリットは確実にあると言えるでしょう。
引用:「Reducing occupational sitting time and improving worker health: the Take-a-Stand Project, 2011」National Library of Medicine
スタンディングデスク導入のデメリット
スタンディングワークには多くのメリットがありますが、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
スタンディングデスクの導入コストがかかる
スタンディングワークを行うためには、スタンディングデスクが必要です。
個々の身長に合わせて調整する必要があるため、間違った扱いをすると腰痛などの原因となる可能性があります。そのため、スタンディングデスクを設置するためには、スペースや費用の負担が必要になってきます。
スタンディングデスクには、高さを調整して通常のデスクとして使用できる製品もあるので、目的に合ったデスクを選ぶことが重要です。
立ち作業が続くことで足への負担が増加する
長時間立ち続けると、足や太ももの筋肉に負荷がかかります。
程よい運動は健康に良い影響を及ぼしますが、過度に行うと悪影響をもたらします。
座ることと立つことのバランスを取り、スタンディングワークの利点を最大限に生かしましょう。
スタンディングデスクの適切な使い方:高さと時間を注意しよう
スタンディングデスクを使用する際に留意すべき点は、「デスクの高さ」です。
デスクの高さが高すぎたり低すぎたりすると、身体に負荷がかかってしまうため、パソコンを置いて肘が90度になる高さに調整しましょう。
立っている時間については、明確な基準はありませんが、テキサス大学が行ったコールセンターの実験によると、成約率が46%向上したのは「立って仕事をしていた時間」が1時間30分だったとされています。
また、スタンディングデスクを使用し始めてから効果が現れるまでにはおおよそ1ヶ月かかるため、長期的な視野で取り組むことが大切です。
3タイプのスタンディングデスクと選び方
スタンディングデスクには、高さ固定型、卓上型、昇降型の3つの主要なタイプがあります。以下では、それぞれのタイプの特徴と選び方のポイントを紹介します。
昇降型
昇降型のスタンディングデスクは、高さを調整できるデスクです。
手動式や電動式がありますが、電動式の方が高さ調整が楽にできるため、より使い勝手が良いとされています。
昇降機能によって、座って仕事をすることもできるため、長時間の作業でも疲れにくくなります。
<選び方のポイント>
自分が使用する椅子との高さの調整ができるかどうか、電動式か手動式か、昇降範囲などを確認して選びましょう。また、電動式の場合はコンセントの位置なども確認する必要があります。
【2023年最新】電動昇降デスクのおすすめ10選!在宅ワークで便利なスタンディングデスク
卓上型
卓上型スタンディングデスクは、既存の机の上に設置するタイプです。
高さは調整可能で、机の上に置くだけなので、スペースの制限がある場合にも適しています。
また、デスクトップパソコンを使用する場合にも向いています。
<選び方のポイント>
自分が使用するモニターのサイズや、机のサイズに合わせて、適切な卓上型スタンディングデスクを選びましょう。
高さ固定型
高さ固定型スタンディングデスクは、一定の高さに固定されており、高さの調整はできません。一般的に、高さが低い人や小柄な人に向いています。
また、コンパクトで価格が安い場合が多いため、スペースや予算に制限がある場合にも適しています。
<選び方のポイント>
自分の身長に合った高さのデスクを選ぶことが重要です。もし高さが合わない場合は、別途調整できるアクセサリーを用いるか、別の種類のスタンディングデスクを選ぶことを検討しましょう。
スタンディングデスクを利用する際の注意点
スタンディングデスクは利点が多いですが、使用する際にはいくつか留意すべき点があります。
ここでは、スタンディングデスクを導入する際に押さえておきたい2つの注意点を紹介します。
ダイエットの効果を過剰に期待しない
スタンディングデスクを使っても、過度なダイエット効果を期待するのは控えた方が良いでしょう。
立ちながら仕事をすることで、座っている時よりも活動量が増えますが、単に立っているだけでは消費カロリーが大幅に増えるわけではありません。
例えば1時間立っているだけで、座っていた場合と比べてわずかプラス9キロカロリー程度の違いしかありません。
長時間の立ちっぱなしは危険
スタンディングデスクを使う場合は、立ちっぱなしにならないように注意しましょう。
運動不足の解消には効果がありますが、一日中立ちっぱなしで仕事をすることは避けるべきです。
長時間の立ち仕事は、血管の膨張を招いて心臓に負担をかけるだけでなく、脚や足首、肩や腰への負担、足のむくみにもつながる可能性があります。また、体に負担がかかりすぎると集中力も切れてしまいます。
したがって、スタンディングデスクを使う場合は、適度な時間で「座る」「立つ」を繰り返しながら作業するのがおすすめです。
まとめ:スタンディングデスク活用で生産性アップ
デスクワークや在宅ワークなどは長時間座り続けるため、身体に負担がかかりがちです。
そこで、スタンディングデスクを活用することで、座りっぱなしの負荷を軽減できます。
さらに、業務の効率化や集中力の維持などのメリットもあります。健康的な働き方を実現するために、スタンディングデスクは有用なツールの一つと言えます。
このようなオフィス環境の改善は、生産性や健康面にもポジティブな影響を与えるでしょう。
ぜひ上手にスタンディングデスクを活用して生産性アップを目指してください。